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コンフォート原則とは
コンフォート原則とは、「毎日長時間使う物にお金を多く使ったほうが幸福度が高い」 という考え方になります。
1週間や1ヶ月に1度しか使わないものと毎日必ず使うものでは、毎日必ず使うものにお金をかけた方がいいということです。
なんとなく意味はわかると思いますが、これだけではちょっとわからない部分もありますよね ・・・。
しかし、これは日常生活を改善し、QOLを向上させていく上で非常に大切な考え方になります。
これから、詳しく解説していきます。
コンフォート原則で買うべきモノ
欲しいものや買いたいモノっていっぱいありますよね。
けど、どんどん買ってたらお金がいくらあっても足りないし・・・。
こういう状態の時にコンフォート原則を使用することによって購入する順番に優先順位をつけることができます。
では、コンフォート原則にもとづいてどのようなものを買えばいいのかみてみましょう。
コンフォート原則で購入の優先順位が高いモノ
コンフォート原則で購入の優先順位が高くなるモノにどういうモノがあるか見てみましょう。
- 外出時に高い頻度で使うモノ
- 在宅時に高い頻度で使うモノ
- 睡眠時に高い頻度で使うモノ
- 日々の生活で共通して高い頻度で使うモノ
まず、生活のサイクルを「外にいる時」、「家にいる時」、「寝ている時」の3つに分けます。
人にもよりますがこの3つの項目はだいたい3等分(それぞれ8時間)できるのではないかと思います。
そして、その3つの項目の2つ以上で共通して使うモノを4つ目の項目とします。
その後で、それぞれの項目で「使用する時間が長いモノ」、「毎日必ず使うモノ」のどちらか、もしくは両方に当てはまるものをピックアップしてみましょう。
そこでピックアップされたモノが、コンフォート原則の高いモノになります。
新しくモノを購入する際には、コンフォート原則の高いモノを優先して購入していくことによって、より満足度の高いお金の使い方ができるようになります。
コンフォート原則で購入の優先順位が低いモノ
つぎに、コンフォート原則で購入の優先順位が低くなるものにどういうものがあるか見てみましょう。
- 特定のイベントの時しか使用しないモノ
- 特定の行事の時しか使用しないモノ
- 特定の季節の時(夏や冬など)しか使用しないもの
けど、年に1度だけど使うんだよなとかこの時期だけは使うんだよなみたいなこともあると思います。
しかし、考えてみてください。
年に1度しか使わないモノに5万円使うのと、毎日必ず持ち歩くモノに5万円使うのでは、どちらが生活に対する満足度が高いでしょうか?
もし、そのモノに特にに思い入れなどがない場合には、 レンタル等を検討してみましょう。
そうすれば、メンテナンス等の維持やモノの置場などにも困ることがありません。
新しくモノを新しく購入する際には、コンフォート原則の低いモノの購入を極力減らしていくことによって、より満足度の高いお金の使い方ができるようになります。
コンフォート原則が高くなることが多いモノをみてみよう
では、実際にコンフォート原則が高くなるモノにはどのようなものがあるのでしょうか。
多くの人に当てはまる可能性が高いと思われるものをピックアップしてみましょう。
外出時に使うモノ
- 靴
- バック
- 財布、キーケース
- 衣類、スーツ
在宅時に使うモノ
- 机、テーブル
- 椅子、クッション、ソファー
- 食器、お箸、カトラリー
- ハンドタオル、バスタオル
- ルームウェア、部屋着
睡眠時に使うモノ
- ベッド
- 布団、マットレス
- 枕
- パジャマ、寝巻き
日々の生活で共通して使うもの
- スマホ(アプリを含む)
- イヤホン
- 化粧品、ケア用品
- メガネ、コンタクトレンズ
この中でいくつ当てはまったでしょうか?
もちろん人によってモノの使用時間は違いますので、絶対にこれというものではありません。
「私にはこのアイテムは当てはまらない」、「私にはこのアイテムが必要だな」ということもあると思います。
この例を参考にしながら、自分にとってコンフォート原則の高いモノを確認してみましょう。
コンフォート原則をより活かすために
使用時間が同じくらいなら健康に関わるものを優先しよう
コンフォート原則を使って、使用時間や使用頻度で見ていくとだいたい同じくらいだなってこともあると思います。
そういう時には自分の健康や体調に関係するもの(健康や体調への影響度が大きいもの)を優先しましょう。
趣味を目一杯楽しんだり、仕事をばりばりこなしたりするにもまずは体が資本ですよね。
実際に例を見てみましょう。
- 外出時に使うモノ : 靴 > 衣類 、バック、財布
- 在宅時に使うモノ : 椅子、ソファー > 机、テーブル
- 睡眠時に使うモノ : ベッド、枕 > パジャマ、寝巻き
同じシュチュエーションで使う可能性が高いかなというものでまとめてみました。
それぞれについて細かくみてみましょう。
外出時に使うモノ
外出時に使うモノの中でコンフォート原則に当てはまるものは、靴、衣類、財布、バックなどがあると思います。
この中で 、健康に対して一番影響が大きいのは 靴ではないでしょうか?
外にいる時は、必ず靴を履くと思います。
サイズの合わない靴など自分に合わないモノを我慢しては履いていると、いろいろと健康への悪影響が発生してしまいます。
なので、外出時に使うものの中では、健康への影響という観点から優先順位は、靴>衣類、財布、バックとなります。
外出時に長時間使う靴は、コンフォート原則で買うとよいものの代表的なアイテムです。
在宅時に使うモノ
在宅時に使うモノの中でコンフォート原則に当てはまるものは、椅子、ソファー、机、テーブルなどがあると思います。
この中で、健康に対して一番影響が大きいのは椅子、ソファーではないでしょうか?
家にいる時は、椅子に座ってパソコンやスマホをいじったり、ソファーに寝そべってテレビを見たりすることが多いと思います。
身体に合わない椅子など自分に合わないモノを我慢して使っていると、姿勢を保つのに無理があるため、いろいろと健康への悪影響が発生してしまいます。
なので、在宅時に使うモノの中では、健康への影響という観点から優先順位は、 椅子、ソファー>机、テーブルとなります。
在宅時に長時間使う椅子、ソファーは、コンフォート原則で買うとよいものの代表的なアイテムです。
睡眠時につかうモノ
睡眠時に使うモノの中でコンフォート原則に当てはまるものは、 ベット、枕、パジャマ、寝巻きなどがあると思います。
この中で、健康に対して一番影響が大きいのはベット、枕ではないでしょうか?
寝る時は、ほぼ必ずベットや枕を使うので、大体1日6~8時間程度、すなわち人生の4分の1から3分の1は身をゆだねている状態になります。
身体に合わないベットや枕など自分に合わないモノを我慢して使っていると、寝心地も悪く、腰痛など健康への悪影響も発生してしまいます。
なので、睡眠時に使うモノの中では、健康への影響という観点から優先順位は、 ベット、枕>パジャマ、寝巻きとなります。
睡眠時に長時間使うベッド、枕は、コンフォート原則で買うとよいものの代表的なアイテムです。
収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則とは
コンフォート原則を使って物の購入に優先順位をつける場合には、いっしょに「収穫逓減の法則」も覚えておきましょう。
収穫逓減(しゅうかくていげん、英: diminishing returns)は、経済学用語であり、収穫逓減の法則とも呼ばれる。固定および可変の入力(例えば工場規模と労働者数)のある生産システムで、可変入力がある点を過ぎると、入力の増加が出力の増加に結びつかなくなっていく。逆に製品をより多く生産するのにかかるコストは増大していく。これを相対費用逓増の法則あるいは機会費用逓増の法則、限界生産力逓減の法則とも呼ぶ。
Wikipediaより
これだけではちょっと難しいので、日常生活を例にして言い直してみると次のようになります。
使用するお金が増えていくと日常での生活満足度は増大していく。しかし、使用するお金の金額がある点をすぎると、お金を使った量に対しての生活満足度の増加が結びつかなくなっていくという法則。
これをモノで置き換えてみると、1万円の格安スマホを10万程度するハイスペックスマホに買い換えた場合は、大きく満足度は向上します。しかし、10万程度するハイスペックスマホを毎年最新型に買い換えてもそこまで満足度は向上しません。
このようにあるラインを超えると、お金を一杯使っても満足度はほとんど変わらなくなるため、一定の所で満足して納得するということがとても大切になります。
コンフォート原則の活用方法
コンフォート原則の使い方とは
ここでは、具体的なコンフォート原則の使い方を確認してみましょう。
コンフォート原則を実際に使っていく際には3ステップになります。
- 自分の日常生活のサイクルを思い出して、どのように時間を使っているかを洗い出す。
- 洗い出した時間毎に現在使っているモノを当てはめる。
- 欲しいものがある場合、①②で作成したリストをもとにして優先順位を決め、健康への影響度や収穫逓減の法則も考慮して購入する。
どうでしょうか?比較的かんたんにできそうな気がしてきたのではないでしょうか??
日常生活の時間の使い方と各時間毎に使っているモノをリストにまとめて、あとはそれをもとにして新しく購入するモノの優先順位を決めていくだけです。
このとき、現在使っているモノのランク( 収穫逓減 )を考慮することも忘れないで下さい。
では、実際にどのように実施していけばよいかの例を見てみましょう。
コンフォート原則を自分に当てはめてみよう
コンフォート原則についての説明がだいたい終わったところで、例としてに当てはめてみましょう。
例題の人物設定
- 毎日8時に出勤して17時に終わるサラリーマン
- 通勤時間は毎日車で1時間
- 朝は6時に起きて夜は12時に寝る(睡眠時間は6時間)
- 会社での勤務内容はデスクワーク
時間の使い方&各時間毎に使っているモノのリスト
まずは、毎日の時間の使い方と各時間毎に使っているモノを書き出してリストを作成します。
下のリストを確認してみて下さい。
例えば、この人が睡眠の質を高めたいと思っていて、寝具の購入を検討しているとします。
まず、コンフォート原則をもとにして作成したリストから睡眠に関係するものを抜き出します。
・ベット、マットレス、枕、布団、パジャマ、寝巻き
次に、購入を検討しているモノを健康への影響度で選別します。
・ベット、マットレス、枕 > 布団 > パジャマ、寝巻き
健康への影響度に考慮して、今回はベッド、マットレス、枕の中から選ぶことにします。
最後に、 現在使っているモノのランクを確認して 収穫逓減の法則を当てはめてみます。
- ベット ← 1年前に購入した一流メーカーのモノ
- マットレス ← ベットと同時に購入した一流メーカーのモノ
- 枕 ← 2年前に現在のアパートに引っ越してきたときに量販店で買った格安のモノ
ベットとマットレスはすでに一流メーカーのモノを使っているので新たに購入しても満足度の上昇は少なそうです。とりあえず間に合わせで買った枕をより自分にあったモノに買える事で満足度の大きな上昇が期待できます。
この例の場合、睡眠の質を高めるためには、枕を最優先で購入するのが満足度の向上が一番期待できるという結論になります。
このように、コンフォート原則を使用することによって、モノを買うときの判断基準を作り、お金をどんどん効果的に使えるようになるのでぜひ活用してみて下さい。
コンフォート原則のまとめ
コンフォート原則について、その具体的な内容を説明した後、日常生活での活用事例を紹介しました。
コンフォート原則を的確に活用することにより、お金を使用した際の満足度を飛躍的に改善することが期待できます。
コンフォート原則を学んで、生活をそして人生を豊かにしていきましょう。