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ECRS(イクルス)の原則とは
ECRS(イクルス)とは、E=Eliminate、C=Combine、R=Rearrange、S=Simplifyの
頭文字を取った改善対象を決定するためのツールです。
工程,作業,動作を対象とした分析に対する改善の指針として用いられる,
E(eliminate:なくせないか),
C(combine:一緒にできないか),
R(rearrange:順序の変更はできないか),
S(simplify:単純化できないか),
による問いかけ。
JIS Z8141より
JIS規格(日本工業規格)には上記のように記述されています。
これだけだとちょっとどういう意味かよくわかりませんよね・・・。
しかし、これは日常生活を改善し、QOLを向上させていく上で非常に大切なツールになります。
これから、一つずつ解説していきます。
Eliminate(エリミネート)=「排除」=「なくせないか」
1つ目のEliminate(エリミネート)についてみていきます。
- なくす
- やめる
- すてる
- のぞく
日常生活の中で「やらなくてもいいこと」「捨ててしまってもこまらないモノ」
こういうものがあれば、まずそれを排除します。
これらをやめたり、捨てたりすることによって無駄な時間を減らすことができますし、
無駄なモノが占有しているスペースもあけることができます。
例えば、付き合いで何となく続けてしまっていることや今は必要なくなってしまったモノ
などがないか考えて見て下さい。
日常生活の中で必要ないと思われる事は、思い切って排除していきましょう。
- なんとなくでやっている習慣の中で、必要ない事をやめる。
- 使っていないものや使用頻度の低いモノは捨てる。
- 付き合いなどで継続している事は思い切って断る。
Combine(コンバイン) =「結合」 =「一緒にできないか」
2つ目のCombine(コンバイン) についてみていきます。
- 一緒にできないか
- 統合する
- 結合する
日常生活で別々の人が同じような事を行っていたり、同じような機能の道具が
あったりしたらまとめて一緒にします。
みんなでばらばらやっていると、逆に手間が増えて大変になってしまいますし、
時間もかかってしまいます。
例えば、共用で使う日用品や消耗品などの買い出しは役割分担して、
まとめて買ってきた方が時間も節約できますし、重複して買ってしまう
などもなくなります。
日常生活での作業を見直してみて、まとめられるものはまとめてみましょう。
- 別々に掃除している所をまとめて一緒に掃除する。
- 日用品などの買い出しをまとめて行う。
- 似たような道具を一つに統合する。
Rearrange(リアレンジ)=「交換」=「順序の変更はできないか」
3つ目のRearrange(リアレンジ) についてみていきます。
- 順序の変更はできないか
- 並べ直せないか
日常生活でやるべきことっていろいろありますが、やる順番をいろいろ
考えて、変えていきます。
同じ事でもどのタイミングでやるかによって大きく効率も変わってきます。
例えば、定期的な買い物のルートを変更したり、夜にやっていたルーティンワークを
朝に変更したりいろいろ思考錯誤してみましょう。
日常生活での作業を見直してみて、適切なタイミングで実施できるようにしましょう。
- 買い物のルートを変更する。
- ルーティンワークの実施タイミングを変更する。
- 掃除する順番を変更する。
Simplify(シンプリファイ) =「簡素化」=「単純化できないか」
4つ目は、Simplify(シンプリファイ)についてみていきます。
- 単純化できないか
- 簡単にできないか
日常生活で減らしてしまっても現状のクォリティーが保てるものが
あればどんどん簡素化していきましょう。
クォリティが保てるのであればなるべく簡素化した方が維持や清掃
などの管理が楽になります。
例えば、緊急性のない連絡であれば電話ではなくチャット等の方がいいですし、
チャットでもよく使う定型文は登録しておく事もできます。
日常生活を見直してみて、簡素化できるものは簡素化していきましょう。
- 電話でのやりとりをチャットに変更する。
- 何回も行う作業はテンプレートを作成する。
- 紙のファイリングをSCANしてPDFで保管に変更する。
ECRS(イクルス)の検討順序
ECESを用いて改善を行う際の検討は、その呼び名通りに必ず
「E(排除)→C(結合)→R(交換)→S(簡素化)」の順に行いましょう。
この順番でやるのには理由があります。
これは、「E(排除)→C(結合)→R(交換)→S(簡素化)」の順で
改善を実施した際の効果も大きくなるからです。
なので、改善を検討する際には、必ずこの順番で検討するようにしましょう。
ECRS(イクルス)の活用方法
それでは、ECRS(イクルス)の活用方法を学んでいきましょう。
日常生活の中で困っていたり、不便だなということがあったとしましょう。
この時にそれを改善していくのに ECRS(イクルス)を活用することができます。
では、例題で ECRS(イクルス) を使ってみましょう
例題:キッチン用具を片付けて、キッチンをすっきりさせたい。
- 第一ステップ
使用頻度が少ないものや買ったけどほとんど使っていないキッチン用品があったらなくす。 - 第二ステップ
用途が似ているものや他の道具で代用できるキッチン用品を一緒にする。 - 第3ステップ
キッチン用品を使用する順番等を考慮して置き場を変更する。 - 第4ステップ
セット品、付属品やアタッチメントなどの中で使っていないものがあれば減らす。
ECRS(イクルス)を活用してどんどん日常生活の問題を解決していきましょう。
ECRS(イクルス)のまとめ
ECRSの原則について、その具体的な内容を説明した後、日常生活の改善事例ご紹介しました。
ECRSの原則を忠実にたどっていくことにより、飛躍的に日常生活を改善することが期待できます。
ECRSの原則をうまく活用して、QOLを向上させ、生活をそして人生を豊かにしていきましょう。