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QCDについて学ぼう!

疑問
商品を選ぶ時にいつも悩んじゃってなかなか決められないな…。うまく選ぶためのいい方法って何かないのかな??

この記事では、このような疑問に答えるために「QCD」という考え方を紹介していきます。
解答

この記事の文字数は4585文字。この記事の読書の想定は12分です。

QCDとは

QCDとは、製造業で生産管理を行う上で非常に大切な3つの要素である「品質(Quality)」、「価格(Cost)」、「納期(Delivery)」の頭文字を並べた言葉で、ものづくりを行ううえで最も重要な概念の一つとされています。

  • Q : Quality → 商品・サービスの品質
  • C : Cost →  商品・サービスの価格
  • D : Delivery → 商品(サービス)の納期

これを私たちの日常生活に当てはめてみるとどうなるのでしょうか。QCDを商品・サービスを比較する際に使うことによって、統一した基準で判断することができるようになります。

具体的には、いくつかの商品の中からどれかを選びたいというようなシュチュエーションがあったとします。このようなときにQCDを使用して「品質・価格・納期」それぞれの項目で比較することによって、一番良いものが選べるようになるのです。

QCDを適切に使うことによって、商品・サービスを選ぶ際の失敗を無くすことができ、QOLの向上につなげることができます。

では、一つずつ細かく説明していきます。

Q:Quality:品質

1つ目は、商品・サービスの 品質(Quality)です。

品質(Quality)は、「商品やサービスの出来栄え」です。仕様に定められた機能や性能を満たしているか、個体ごとの質のバラつきなどが安定しているかなどを表しています。

具体的には、次のようなものがあります。

  • 飲食店などでの料理の味、風味、香り
  • 家具・家電の機能、デザイン
  • サービスの満足度

実際に品質は、多くの人がとても重視するのではないでしょうか。その証拠にモノの購入や外食の際などには、ほとんどの人が事前にレビューサイトなどで口コミや評判などをチェックしているはずです。これは、商品やサービスの品質が思っていたのと違うということを避けるために行っている行動なのです。

商品やサービスを選ぶ際には、その品質が自分が求めている基準を満たしているかどうかをよく確認することがとても大切です。

C:Cost:価格

2つ目は、商品・サービスの価格(Cost)です

価格(Cost)は、「商品やサービスのためにかかる値段や費用」です。商品を購入したり、サービスを受けたりする際に実際にその対価として支払う金額を表しています。

具体的には、次のようなものがあります。

  • 飲食店などの食事代
  • 家具・家電・日用品などの購入代
  • サービスの利用料(入会費、年会費など)

品質と並んでとても大切なポイントになります。実際には、品質で選んだものの中から価格を見て財布と相談する人が多いのではないでしょうか。

商品やサービスの価格が、その商品やサービスの質に対して妥当なものなのか、自分の予算や一般的な相場と比較してどうなのかをよく確認することがとても大切です。

D :Delivery:納期

3つ目は、 商品・サービスの の納期(Delivery)です。

納期とは「商品やサービスを納める期限(入手しやすさ)」です。品質が良く、手ごろな価格の商品でも、納期が守られなかったり、入手が困難であったりしたら商品としての価値は失われてしまいます。

具体的には、次のようなものがあります。

  • 注文してから到着するまでの時間
  • 商品の手に入れやすさ(生活圏の店に置いてあるかなど)
  • サービスの受けやすさ(予約しやすさ、通いやすさなど)

どんなに品質や価格が良いものがあったとしても、手に入れることが難しいというのでは意味がありません。極端な話ですが、とてもいいサービスのお店があったとしても、予約してから2年待ちといった状態だとしたら、常に利用することは難しいです。

商品やサービスを選ぶ際には、すぐ手に入るのか、いつでも手に入るか、受けたいときにすぐ受けられるかという視点でもよく確認することがとても大切です。

QCDの活用方法

QCDの優先順位

QCDの優先順位について説明していきます。

QCDは、 言葉の並びどおりにQ→C→Dの順番で、優先順位が高くなります。

  • Q:Quality:品質
  • C:Cost:価格
  • D:Delivery:納期

Q(Quality) が一番最初にくる理由は、品質が最優先だからです。商品の価格が安い、納期が早いというのは、あくまで十分な品質を満たしたうえでの追加要素になります。

あなたがお店に行って何か商品を買う場合を考えてみましょう。

商品を買った後に最初から不良品だったりすぐに壊れたりしたら、同じ商品や同じメーカーの商品をまた買うことを躊躇するようになるはずです。価格が安くて、すぐに手に入る商品があったとしても商品自体が使えなかったり、用途を満たさないものだったら何の意味もありません。

このように何か製品を買ったり、サービスを受けたりする際には、まず品質(Quality)が自分の必要としている基準を満たしているかどうかをよく確認することがとても大切です。

QCDの関係性

QCDの優先順位について説明していきます。

QCDはそれぞれが互いに関係し合って成り立っていて、どれか1つの要素が変動すると他の要素も変動します。なので、1つの要素だけを意識するのではなく、全体的にバランスをみて確認する必要があります。

では、一つずつ細かくみていきましょう。

品質を変動させた場合

品質を良くすれば、それに伴い価格が高くなり、納期も遅くなるのが一般的です。

品質を良くするためには、良い部品を使用したり、商品の検査体制を厳しくしたりすることが必要です。しかし、それを行うと価格が高くなり、納期も遅くなってしまいます。

価格を変動させた場合

価格を安くすれば、それに伴い品質が下がり、納期も遅くなるのが一般的です。

価格を安くするためには、構成される部品をグレードの低いものに変更したり、配送コストを抑えたりすることが必要です。しかし、それを行うと品質が下がり、納期も遅くなってしまいます。

納期を変動させた場合

納期を早くすれば、品質が下がり、価格が高くなるのが一般的です。

納期を早くするためには、作業時間を短縮したり、 商品の配送時間を短くする必要があります。しかし、それを行うと品質が下がり、価格も高くなってしまいます。

QCDでは、どれか1つの要素を向上させると、別の要素が低下してしまうのが一般的です。

「品質がとても良く、値段がとても安く、納期がとても早い」商品やサービスが理想ではありますが、説明してきたようにこの3つには相互関係にあるので全てを満たすというのはなかなか難しいわけです。実際にこれを実現しようとしても「品質を追求した結果、価格が高くなりすぎて誰も買えない」、「品質と価格を重視していたら、納期がすごいかかってしまい商品自体を手に入れるのが難しい」というようなことになってしまいます。

ここでのポイントは、QCDの関係性を理解したうえで「品質・価格・納期」の全てを100%に満足するものはほぼ存在しないということを認識して、3つのバランスがとれた商品・サービスを選ぶようにすることです。

QCDの派生語

QCDの派生語について説明していきます

QCDには、いくつかのバリエーションがあり、商品・サービスを検討する際にはそれらも追加して検討していく必要があります。業界などにもよりますがQCDE、QCDSM、QCDFなど複数のパターンがあります。

具体的には、次のようなものがあります。

  • QCD+E(環境)
  • QCD+S(サービス、安全)
  • QCD+M(モラル)
  • QCD+F(柔軟性)

この中で日常生活に関係することが多い、E(環境)とS(サービス、安全)ついて細かくみていきましょう。

E:Environment:環境

QCDに追加されることが多い1つ目の言葉Eは、環境(Environment)の頭文字です。

  • E:Environment →  商品・サービスの環境対策(環境への配慮)

環境(Environment)は、 商品やサービスが環境に配慮されたものになっているかどうかということです。派生語が作られる場合には、EQCDのような形で一番先頭に付くパターンもあります。現在では、環境破壊や地球温暖化など環境がクローズアップされることが多くなっているので、まずは環境に配慮する必要があるという意味が強くこめられています。

具体的には、次のようなものがあります。

  • 廃却しやすい商品
  • 環境にやさしい材料で作られた商品
  • ゴミの削減など環境に配慮したサービス

商品やサービスを選ぶ際には、QCDだけではなく環境にも配慮されているものを選ぶことがとても大切です。

S:Service:サービス

QCDに追加されることが多い2つ目の言葉Sは、サービス(Service)の頭文字です。

  • S: Service → 商品・サービス購入後のサポートやフォロー

サービス(Service)は、商品やサービスを購入した後のサポート体制のことです。長期間使うものや使い方がわかるか不安なものなどは購入した後のサポート体制が充実していたほうが安心です。

具体的には、次のようなものがあります。

  • 購入した後の保障期間
  • サポートデスクの対応

商品やサービスを選ぶ際には、 万が一の時の保証や問い合わせへの対応の充実具合など考慮しながら選ぶことがとても大切です。

S:Safety:安全

QCDに追加されることが多い3つ目の言葉Sは、安全(Safety)の頭文字です。

サービス(Service)と頭文字は同じですが、安全(Safety )という解釈で使うこともあります。

  • S: Safety → 商品・サービスの安全性能(安全対策)

安全(Safety )は、 商品やサービスが安全に配慮されたものになっているかどうかということです。危険がないように対策が行われていないと安心して利用することができません。

具体的には、次のようなものがあります。

  • 商品を長期使用した際の安全性
  • 商品についている安全装備
  • サービスで行われている安全対策

商品やサービスを選ぶ際には、安全性は保証されているか、安全装備はついているかなど何かあった際に大丈夫かどうかをきちんと確認することがとても大切です。

環境、サービス、安全などを考えた商品やサービスを選択すると、一般的にはその分価格が高くなります。なので、長期間使う家電はサービスを重視する、万が一の可能性がある自動車は安全を重視するなど商品に応じて重視するポイントを使い分けていく必要があります。

QCDについてのまとめ

QCDについて、その具体的な内容を説明した後、日常生活での活用方法をご紹介しました。

QCDを使うことによって、買い物などをする際に迷うことや無駄なものを買ってしまうことなどを防ぐことができ、飛躍的に日常生活を改善することが期待できます。
QCDを学んで、生活をそして人生をさらに豊かにしていきましょう。

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