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時間管理マトリクスとは
時間管理マトリクスとは、日常生活における時間の使い方を「緊急性」と「重要性」で分類して、分析を行い改善していくという考え方です。
この考え方は、スティーブン・R.コビー氏の著書である「7つの習慣-成功には原則があった!」に記載されています。
まずは、下記の ように時間の使い方を「重要度」と「緊急度」で区分けして、全4領域に分けます。そして、現在の日常生活での時間使い方を各領域に当てはめていき、その後分析・改善を行います。
- 第1領域:重要度が高い&緊急度が高い
- 第2領域:重要度が高い&緊急度が低い
- 第3領域:重要度が低い&緊急度が高い
- 第4領域:重要度が低い&緊急度が低い
重要なこと | 重要でないこと | |
緊急なこと | 第1領域 | 第3領域 |
緊急でないこと | 第2領域 | 第4領域 |
これだけだとちょっとどういう意味かよくわかりませんよね・・・。
しかし、これは日常生活を改善し、QOLを向上させていく上で非常に大切な考え方になります。
これから、一つずつ解説していきます
時間マトリクスの詳細説明
第1領域=緊急なこと&重要なこと
1つ目に第1領域について説明していきます。
第1領域は、緊急度も重要度も高い領域です。
突発的に発生することや相手からの依頼・要求などのすぐにやらなければいけないことが多く 、最優先で対応していく必要があります。
具体例をあげてみましょう。
- 締め切りのある仕事
- クレーム処理
- せっぱつまった問題
- 病気や事故
- 危機や災害
この領域は、突発的に発生することなども多く、たくさんの時間を使うことになると思います。
第1領域は、いち早く対応する必要がありますので、あせらず確実にこなしていくことが大切です。
第2領域=緊急でないこと&重要なこと
2つ目に 第2領域について説明していきます。
第2領域は、緊急度が低く、重要度が高い領域です。
すぐにやらなくても問題は無いが自分にとってとても大切なことが多く、将来に向けて計画的に取り組んでいく必要があります。
具体例をあげてみましょう。
- 健康維持のためのスポーツやジム通い
- 将来やりたい事に向けて勉強する
- 自己啓発のための読書やセミナー
- 資格取得の勉強をする。
- 新しい趣味にチャレンジする。
- 豊かな人間関係を広げる
この領域は、自分の能力を高めたり、人間関係を広げたり、健康を維持したりと長期的にみると最も重要です。
ただ難しいのは、緊急性が低いのでどうしても後回しになりがちということです。
第2領域の重要性をきちんと認識して、将来に向けて毎日少しずつでも時間をさくようにすることが大切です。
第3領域=緊急なこと&重要でないこと
3つ目に第3領域について説明して行きます。
第3領域は、 緊急度が高く、重要度が低い領域です。
人間関係や付き合いに関連することが多く、一見重要だと錯覚しがちですが投入した時間に対してリターンはそれほどでもないことが多いので注意が必要です。
具体例をあげていきます。
- 突然知人が尋ねてきた場合
- 不必要な長電話
- 自分の意思に関わらず強制参加の冠婚葬祭
- 自分の意思に関わらず強制参加のイベント
しかし、同僚や友達などに誘われているので、しょうがないという意見もあると思います。
もちろん全てを断る必要はありませんので、過剰な付き合いにならないように調整して、第3領域をうまくコントロールできるようにしていくことが大切です。
第4領域=緊急でないこと&重要でないこと
4つ目に第4領域について説明していきます
第4領域は、緊急度も重要度も低い領域です。
日常生活の中で予定もなくだらだら過ごしてしまう無駄な時間が多く、 生産性も低いので、なるべく減らす必要があります。
具体例をあげていきます。
- ゲームをだらだらする
- 動画をだらだら見る。
- SNSをだらだらする。
- テレビをだらだら見る
- ネットサーフィンをだらだらする。
ここでは、だらだらがポイントです。
もちろんこういった余暇の時間を0にする必要はありません。どれも適度にやるぶんにはとてもいい趣味ですし、日々のストレス発散やリフレッシュするためは必要な時間でもあります。
無計画にだらだら時間を使うのをやめて、休みの日や空き時間などもなるべく計画的に過ごすようにし、 第4領域を必要最低限にすることが大切です。
時間管理マトリクスの活用方法
第1領域の時間が発生してしまうわけを理解しよう
第1領域の時間が発生してしまうわけを解説していきます。
実は第1領域の時間と第2領域の時間は密接な関係があります。
一見すると第1領域の時間は外的な要因で発生しているため、自分ではコントロール不可能に思えます。
もちろん100%コントロールすることはできませんが、第2領域の時間を増やす事によって大きく削減することができるのです。
これだけでは、わかりにくいと思うので具体例を見てみましょう。
- クレーム処理 ← クレーム発生させてしまった事前検討不足
- 病気 ← 日頃の体調管理や予防検診の不足
- せっぱつまった問題 ← せっぱつまった問題になる前の対応不足
この右側の不足している部分がまさしく第2領域の時間なのです。
第1領域の時間と第2領域の時間が密接に関係しているといった理由が わかっていただけたでしょうか。
最後にもう一度まとめます。
- 第2領域の時間が減ると、第1領域の時間が増える。
- 第2領域の時間が増えると、第2領域の時間が減る。
この内容を深く理解して、第2領域に多く時間をさけるようにしていきましょう。
第2領域の時間を増やして良いサイクルに入れよう
もしあなたが時間の使い方を変えて、現状を変えたいと思うならば第2領域に使う時間を増やしていかなければいけません。
4領域の関係性とともに良いサイクル(現状がどんどん良くなっていく)と悪いサイクル(現状がどんどん悪くなっていく)を紹介します。
良いサイクル
- 第3&第4領域の時間をなるべく減らす。
- 減らした時間を第2領域に当てる。
- 第2領域の時間を増やしたことによって、第1領域の時間も減る。
- 減った時間をさらに第2領域に費やす。
- 以下、ループする。
悪いサイクル
- 第3&第4領域の時間が多すぎる。
- 第2領域に時間を使うことができない。
- 予防ができないため第1領域の時間が増えてしまう。
- 時間がさらに減ってしまいより第2領域に時間がさけない。
- 以下、ループする。
上記のサイクルを理解できたでしょうか?
第3、4領域の時間をなるべく削減して、第2領域の時間に当てることによって、
最終的には第1領域の時間も削減できるのです。
もちろん第3、4領域の時間が全てダメということはありません。
適度な息抜きは人生において必要なものですし、無駄な時間も時には必要です。
しかし、将来や未来への投資の領域である第2領域にどれだけ時間を使えるかで、その後の人生も大きく変わってくるはずです。
この内容をよく理解して、日常生活での時間の使い方をもう一度見直してみましょう。
時間管理マトリクスについてのまとめ
時間管理マトリクスについて、その具体的な内容を説明した後、日常生活の改善事例をご紹介しました。
時間管理マトリクスを使用することにより、飛躍的に時間の使い方を改善することが期待できます。
時間管理マトリクスを学んで、生活を豊かにし、そして人生を豊かにしていきましょう。