日本人のおよそ7割の人が何らかの方法で視力矯正をしている。
メガネやコンタクトを装用する人が半分以上である。
裸眼で過ごしている目が良い方の方が少ないという状況である。
近年では視力矯正手術が注目されている
この記事では代表的な5つの視力矯正について解説する。
視力矯正とは
視力矯正とは近視や遠視、乱視などの屈折異常を、メガネやコンタクトレンズ、手術などにより、正しい見え方に導く手段である。
屈折異常とは、目の中で凸レンズの役割をする角膜と水晶体のバランスが適正であれば、裸眼でよく見える「正視」になるところ、それらの屈折力が不均衡であったり、屈折度の差が大きいなどの理由で、見えにくくなる状態を言います。
視力矯正には様々な方法があり、それぞれに向き不向きがある。
事前によく検討したうえで選択する必要がる
メガネ
視力矯正の中で、最も古くから用いられているのがメガネ。
人によって色々な使用スタイルがある。
メガネのメリット
付け外しが楽にでき、ケアも手軽である。
目の状態を選ばず使用できる(ドライアイ等)
フレームでおしゃれを楽しめる
長時間着用しても目にダメージを与える心配がない
花粉の季節など、目を保護できる
メガネのデメリット
フレームが常に視界に入り、視界が制限される。
顔の印象が変わる
鼻の付け根などが痛くなる
マスク装用時など湿度が高いと曇る
運動中にずれやすい
危険を回避するためにメガネを使用できない場合がある。
コンタクトレンズ
コンタクトレンズは角膜の上に装用し、網膜で正しい像を結ぶように調整を行う医療機器。
ハードレンズとソフトレンズの2種類がある。
近視用、遠視用、遠近両用など様々なタイプがある。
瞳の色や大きさを変化させるカラーコンタクトレンズもある。
装用期間も多種あり、目的や目の状態によって使い分けができる。
コンタクトレンズのメリット
視界の歪みが発生しにくく、遠くまで自然に見ることができる
湿度のある場所でも曇らない
左右の視力に大きな差がある場合や、強度の近視を矯正することができる
スポーツの際もズレたり落ちたりしない
顔の印象を変えないで視力を矯正できる
コンタクトレンズのデメリット
瞳に直接装着するため、取り扱いや衛生管理に注意が必要。
取り扱いが不適切な場合、目を傷めたり感染症になることがある。
ケア用品などのランニングコストがかかる
着脱にはコツがあり、どうしても合わない人もいる
1Day使い捨て以外は、外した後のケアが必要で手間がかかる
強風や衝撃で外れることがある
ドライアイになりやすい
コンタクトレンズは医療器具なので、不具合が生じた際は自己判断しない。
何かあった場合は、すみやかに医師の診断を仰ぐ。
オルソケラトロジー
就寝時に特殊な形のコンタクトレンズを装着することで角膜の表面を平面化し、屈折率を正視に近づける近視矯正法。
基本的な取り扱いはハードコンタクトレンズと同様である
日中は取り外して裸眼で過ごすことができる。
オルソケラトロジーのメリット
日中は裸眼で過ごせるので快適である。
手術ではないので、手術に抵抗のある人にもおすすめできる
レンズの使用を中止すれば、2週間程度で元の角膜の状態に戻る。
年齢による視力変化にも対応が可能である。
水泳やウォータースポーツ中も視力を確保することができる
目薬を使用することができる。
オルソケラトロジーのデメリット
適応検査前に2~4週間コンタクトレンズの休止期間がある
視力の安定までに時間がかかるのでメガネを併用する必要がある
違和感を感じる場合がある。
強度の近視には対応することができない。
検査や定期健診などで通院が必要である。
睡眠時間が6時間以上ないと効果が下がる。
使用のたびにレンズをケアする必要がある。
不衛生に扱うと一般的なコンタクトレンズと同様の合併症が起こる。
正しくレンズケアをすることが大切。
初めての人は医療機関でレンズケアの方法を習い、正しく扱う。
また、オルソケラトロジーを装用すると、夜間に光がにじんで見えることがあります。このように光が周りに散って、信号や街灯がにじんで見えるような現象は「ハロー・グレア」と呼ばれるものです。
時間が経つことで症状が改善するケースが多いですが、気になる場合は医師に相談しましょう。
レーシック
レーシックとは、エキシマレーザーで角膜の中央を調整することで、角膜のカーブを変えて屈折異常を矯正する手術。
一旦手術して安定すれば、メガネやコンタクトなどの視力矯正から解放される。
レーシックのメリット
メガネやコンタクトなどの視力矯正から解放され、裸眼で過ごせる
一度手術すれば視力矯正がいらなくなる
日帰り手術が可能(事前の検査と翌日の検診は必要)
術中は点眼による麻酔で痛みはない
早ければ手術当日から視力が回復し、多くの場合翌日には裸眼で過ごせるようになる
他の視力矯正手術と比較して料金が安い
レーシックのデメリット
一度手術をすると角膜の状態を元に戻せない。
夜間に視力が低下するハローグレアや、ドライアイになることがある
適応検査に2時間~2時間半程かかり、定期健診も必要
術後に角膜の変形や混濁、新たな近視、近視の戻りが出ることがある
正確な眼圧測定ができなくなる
白内障手術に影響が出る場合がある
費用については、医療機関によって異なります。
近視や乱視の度数によって、適応できる/推奨するものが異なる。
ICL
眼内レンズを虹彩の裏側に挿入し、近視や乱視などの屈折異常を矯正する手術。
レーシックと比較されることが多い。
大きな違いは角膜を削るか削らないか。
ICLは角膜を削らないため元の状態に復元が可能である。
手術により挿入したレンズを取り出すことが可能である
ICLのメリット
角膜にゆがみが生じないため、鮮明でクリアな視界を保つことができる
レンズは紫外線をカットできる仕様である
近視、遠視、乱視に対応でき、強度の屈折異常も矯正可能
術後の視力の戻り(リバウンド)の可能性が低いと報告されている
視力が合わない場合や眼病になった際は手術によりレンズを取り出せる
ICLのデメリット
自由診療になるため費用が高い
レンズの在庫状況によっては、手術までの時間がかかることがある
術後は視力が安定するまで数日から1週間、稀に数カ月かかることがある
術後の感染に注意が必要
レンズが合わない場合は、入れ替えの再手術が必要になる
手術直後にハローグレアが起こることがある
自由診療のため、病院やレンズの種類によっても費用に差がある。
度数が強いものや乱視矯正も行う場合は費用が高くなります。
手術前の適応検査や、手術後のアフターケアが費用に含まれていない場合もある。
費用の内訳についても事前に詳しく確認しておく必要がある。
手術に一般的にみられる合併症や副作用の可能性がある。
合併症が起こった場合は追加の手術処置が必要になることがある。
手術である以上は100%安全であるというものではない。
医師にアフターフォート等をよく確認し、納得した上で手術を受ける必要がある。
視力矯正についてのまとめ
代表的な5つの視力矯正について解説した。
自身の生活や視力などに合わせて、適切なものを選ぶ。
一般的に視力矯正は自由診療になるが、医療費控除の対象となる場合がある。
負担を減らしたい人は、確定申告で医療費控除を申請する。