QOLを向上させるためにここでは、QOLを向上させていく上で大切なECRS(イクルス)について学んでいきます。
この記事の文字数は3000文字。
この記事の読書の想定は15分です。
この章のポイント
- どのような方向に向かっていくかの方針を決定する。
- 家庭内や誰がどの役割を担うのかを明確にする。
5 リーダーシップ
5.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.1.1 一般
家庭のリーダーは、品質マネジメントシステムを家庭のトップとして推進し、実行する責任がある。
この責任を果たすために、経営者は特に次のことを行う。
a)品質マネジメントシステムが、どのような結果を目指しているか、また実際に期待した結果に結びついているか説明する。
b)品質方針を決めて経営の方向を示し、各部門に品質目標を決めさせて活動させ、品質方針と品質目標が、会社が置かれた状況や経営戦略と一致しているように管理する。
c)品質マネジメントシステムを、会社の経営の仕組みの一部として機能させる。
d)4.4で説明した仕事の仕組みを理解させ、リスクを意識して、仕組みを作り、仕事を行うように、従業員に指導する。
e)必要な建物や設備を用意し、必要な人を配置する。
f)(従業員に)ルールを守ることと、決められた品質を守ることの重要さを理解させる。
g)品質マネジメントシステムが、期待した結果を出すように管理する。
h)仕事の成果が出るように、従業員に行動させ、そのために従業員を指揮し、またサポートする。
i)仕組みや製品の品質の改善を進める。
j)管理職が、リーダーシップを発揮してそれぞれの役割を果たすように、指揮する。
5.1.2 顧客重視
経営者は、顧客を重視する姿勢を組織のトップとして示し、当社が顧客を重視して行動することに責任を負う。この責任を果たすために、経営者は特に次のことを行う。
a)顧客との約束を守り、法律を守る。そのために、守るべき約束や法律をはっきりさせる。
b)製品の品質や顧客満足に影響する「リスクへの対策」「機会を生かすための活動」に取り組む。
c)従業員に、顧客満足の向上を、常に意識させる。
5.2 方針
5.2.1 品質方針の確立
経営者は、品質方針を決め、品質方針に従って会社を運営し、必要な場合には品質方針を見直す。
品質方針には、次の内容を入れる。
a)当社の仕事の内容にふさわしく取り巻く状況を反映し、経営戦略に沿って進むべき方向を示す。
b)品質目標を決められるように、実現しようとする内容の具体的なイメージを示す。
c)顧客との約束を守り、品質を守り、あるいは法令を守ることを約束する
d)常に仕組みの改善に努めることを約束する。
5.2.2 品質方針の伝達
品質方針は,次のようにして、社員やその他の人に周知する。
a)品質方針を文書で定め、社員がいつでもその内容を知ることができるようにする。
また品質方針を改めたら、その文書も改訂する。
b)従業員にその内容を伝え、理解させ、実際の仕事に反映させる。
c)当社の仕事に関係する人や会社(あるいはその他の組織)が希望する場合は、入手できるようにする。
5.3 組織の役割,責任及び権限
経営者は、以下のことを決める。
①それぞれの仕事について、責任を持つ部門や人を決める。
②決定を伴う仕事については、誰が承認するのか(決済権限)を決める。
また、誰が誰に仕事を指示することが出来るのか(指揮命令権限)について決める。
③それぞれの仕事の責任や権限を誰が持っているかが、社員に分かるようにする。
経営者は、以下のことが正しく行われるように管理する責任者を決める。
a)会社の品質マネジメントシステムをISO9001に合うように管理する。
(仕組みを作り、実行し、必要に応じて変更する)。
b)仕事が結果に結びつくように管理する。(品質方針や品質目標を実現する。良い品質の製品を作り・サービスを行う。顧客をより満足させる)。
c)仕事の結果と、改善の必要性(10.1)を経営者に報告する。
d)顧客を重視する考え方を社員に理解させ、顧客を重視した仕事のやり方を行わせる。
e)仕組みを変更する時は、仕組み全体のバランスが悪くなったり、他の部分と矛盾が起こらないように管理する。