QOLを向上させるためにここでは、QOLを向上させていく上で大切なECRS(イクルス)について学んでいきます。
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この章のポイント
7 支援
7.1 資源
7.1.1 一般
あなたは、この品質マネジメントシステムを動かし、また改善するために、必要な建物や設備などを用意し、従業員を確保する。何が必要かを決めて、必要な時に使えるようにする。
あなたは,次のことを考えに入れる。
a)現在の建物、設備、従業員などでできること。
逆に、現在の施設、設備、従業員ではできないことは何か。
b)新たに用意しなければならない施設、設備などはあるか。
あるいは外注しなければいけないサポート業務はあるか。
7.1.2 人々
当社は、次の目的のために必要な従業員を確保する。
①品質マネジメントシステムを実行して、良い結果を出す
(製品の品質を確かなものとし、それによって顧客の満足を得る)。
②そこに含まれる、各々の仕事を行う。
③その仕事が正しく行われるように管理する。
当社は、まずどのような従業員が必要かを決め、必要な従業員を揃えて従事させる。
7.1.3 インフラストラクチャ
あなたは、仕事を進め、品質の良い製品を顧客に提供するために必要な、建物、設備、サポート業務などを用意する。これには、受注から、設計開発、製造、納品、アフターサービスまですべてを考える。
どれが管理が必要な建物、設備、サポート業務であるかが分かるようにし、必要な建物、設備、サポート業務を準備し、使えるようにし、それらの異常で製品の品質に影響することがないように、点検、メンテナンス、修理などを適切に行う。(サポート業務も同様に管理する)
7.1.4 プロセスの運用に関する環境
あなたは、次の目的のために作業場所(製造現場、作業室、検査室、製品の保管場所などを含む)の環境を整える。
①生活場所の環境(温度、湿度、清潔さ、ほこり、振動など)が、生活の質に悪影響をおよぼさないようにする
②作業場所の環境(広さ、明るさ、清潔さ)、仕事の内容、あるいは職場の人間関係が、あなたに心理的に悪影響を及ぼし、結果として、仕事の結果に悪影響を及ぼすことがないようにする。
どれか管理が必要な作業環境であるかが分かるようにし、環境がコントロールされた作業場所を準備し、点検、保全、監視などを適切に行って、良い環境を保つようにする。
7.1.5 監視及び測定のための資源
7.1.5.1 監視・測定のための装置や道具の管理
当社が、製品の検査や点検を行う場合には、そのために使用する機械や道具を管理する必要があります(以下、まとめて監視・測定機器と書きます)。
これには、計器、はかり、測定機器、監視機器、検査器具、検査装置、ゲージ、標準器などがあります。また、製品の出来栄えを確かめるための点検表、チェックリストなども該当します。
監視・測定機器を管理する目的は、次の通りです。
①測定・点検・確認が、根拠に基づいた方法で行われていることを証明します。
②測定した結果が、正確であることを証明する。
どれか、管理が必要な監視・測定機器なのかが、分かるようにする。
必要な監視・測定機器を用意し、使えるようにする。
a)実施する測定・点検・確認について、何を確かめようとしているのかをはっきりさせ、
それに合った監視・測定機器を使って下さい。
特に、数値を求める測定では、必要な測定精度に合った(必要な細かさで測定ができる)測定機器を選んで下さい。
b)機械や器具は、適切に、点検やメンテナンスをして、正しく使用できる状態を保って下さい。
当社は、使用している監視・測定機器が、それぞれの測定・点検・確認の目的に合っていることを証明する記録を残す。これには、校正記録、点検記録、異常があった時の調査記録などがある。
(次の、7.1.5.2項の記録が、ここに含まれます)
7.1.5.2 測定値を保証する(校正または精度の確認)
測定機器について、確かな標準に基づいて校正や点検が行われていることの証明が必要な場合には、
次のa)~c) の管理を行う。なお、証明が必要な場合とは、次のようなケースです。
◆顧客から証明を求められている、あるいは法律で決まっている。
◆会社が、測定結果について顧客の信頼を得るために、測定機器の証明が必要と考えている。
a)校正または精度の確認(いずれか、またはその両方)を行う。
もし、校正(または精度の確認)をしようとする項目について、国際的なまたは国が定めた標準(比較対象)が存在するならば、それらとの繋がりが証明できる標準を用いて、校正(または精度の確認)を行う。
そのような標準がない場合には、会社それぞれの判断で、適切な方法や標準を決めて、
校正(または精度の確認)を行って下さい。この時には、その方法の正しさを証明する
文書 または記録を作成する。その文書または記録を保管する。
b)測定機器の校正(または精度の確認)が正しく行われていて、使って良い状態にあること
が、その測定機器を使用する現場で分かるようにする。(校正ラベル、目印など)。
c)測定機器は、その精度が狂うことがないように、適切に取り扱う。
◆精度の調整が、誤ってあるいは意図的に狂わされることが無いように、保護を行って下さい。
◆壊れたり、劣化したりしないように取り扱って下さい(保管方法、使用方法、点検方法)
測定機器が正確でないことが判明した場合、あるいは測定機器が壊れた場合には、これまでの測定
(前回の校正・検証以降)で、不合格品を誤って合格品にしていることがないかを調査をして下さい。
本来は不合格だが、合格と扱われた製品があった場合は、問題の大きさに応じて、適切な対策を行って下さい。
7.1.6 あなたが持つ情報
あなたは、次の情報(資料、データ、ノウハウなど)を管理する。
◆生活を行う上で必要な情報
◆質が良い生活を送るための情報
どのような情報を管理するかを決める。
情報の管理方法(収集方法、整理方法、保管方法など)を決めて実施する。
その情報が、必要な時に活用できるように、使用方法(整理方法・アクセス方法)を決める。
当社は、社内及び社外の変化に対応するために、現在持っている情報で十分に対応できるかどうかを判断する。必要な場合には、新しい情報を収集し、あるいは持っている情報を最新のもの改める。
そのような情報を集める方法、あるいは最新の情報にアクセスする方法を決める。
7.2 力量
当社は、力量がある従業員を揃えるために、以下の管理を行う。
a)当社は、以下のような従業員にどのような力量(知識や技術)が必要かを決める。
①製品の品質に影響する仕事をする人
②目標・課題の達成や仕組みの改善につながる仕事をする人
③社員以外で、自社の指揮下にある人
b)当社は、次のような項目を根拠に個々の従業員の力量を把握する。
①今までに受けた教育(学校・大学・専門学校、研修、社内講習など)
②今までに受けた訓練(職業訓練、社内での技能訓練、OJTなど)
③今までの経験(入社前の職務経験、社内での経験)
c)必要な力量を持つ従業員が不足している場合には、従業員を確保する。
従業員を確保する方法には、次のようなものがあります
訓練を行った場合は、力量が得られたことを確かめ、また、その他の手段で力量がある従業員を確保した時もその人の力量を確かめる。
d)力量を証明する記録を保管する。
これには、教育の記録、訓練や指導の記録、経験の記録、力量を判定した記録がある。
7.3 認識
当社は、家族(社員以外の自社の指揮下にある人を含む)に、次のことを正しく認識してもらうために、周知、訓練、指導などを行う。
a)品質方針
b)自分の生活に関係する品質目標
c)生活の質の向上と目標・課題の達成のために、自分がどのような役割を担っているか。
d)決められたルールを守らないとどんな問題が起こるか。
7.4 コミュニケーション
あなたは、家庭内で、生活に必要な情報(業務指示・連絡・報告・共有データなど)が正しく伝わるように管理する。まだ、社外の関係者との情報交換が正しく行われるように管理する。
(顧客との情報交換については8.2.1にも定めています)
それぞれの情報のやり取りについて、次の内容を決める。
a)やり取りする情報の内容
b)情報のやり取りの実施時期
c)情報のやり取りの相手
d)情報のやり取りの方法
(例えば、定期的な会議、文書の発行、日常的な情報交換、意見や情報の受付、情報の収集など)
e)情報のやり取りを行う人(社外との情報交換については、担当や窓口となる人)
7.5 文書・記録
7.5.1 必要な文書・記録
当社は、必要な文書・記録を用意し、運用する。必要な文書について、次のように考える。
a)ISO9001が求めている文書と記録 (これらは必ず作って下さい)
b)品質マネジメントシステムを動かし、良い結果を出すための文書と記録。具体的に何が必要かは、それぞれの会社が判断して決めて下さい。
7.5.2 文書・記録の形式
各々の文書・記録について、以下の点を決める。
これらが必要かどうかを含めて(必須ではない)、それぞれの文書・記録に適した方法を選んで下さい。
a)タイトル、文書番号、改訂番号など(見分けをつけるための表示)。
日付(制定日、改訂日、発効日など)、作成者などの、基本情報の記載。
b)文書・記録の記述の形(例えば,文章で記述、ソフトウェアのバージョンの指定、図面など)
文書・記録の記録媒体(例えば,紙,コンピュータのファイル)
c)文書・記録を作成または改訂する時に、(決められた人による)内容の点検 は必要か。
また、責任者による承認は必要か。
行う場合には、誰がどのような方法によって行うかについて決める。
なお、このような点検・承認では、次のことを確かめる。
◆文書・記録の内容が、仕事の目的に見合っているか
◆結果として、製品の品質やその他のルールを守れるか
7.5.3 文書・記録の管理
7.5.3.1 文書・記録を使う
文書と記録を、次のように管理する。
a)それぞれの文書・記録を使う人が、必要な時に使えるように、文書・記録を配置する。
(またはコンピュータで見られるようにする)。
b)文書・記録の、セキュリティ対策を行う。
(機密情報の流出、不正なアクセス、電子データの破損などの防止)
7.5.3.2 文書・記録を保管する
文書と記録について、次のことを行う。(該当する場合)
a)文書・記録はルールを決めて配付して下さい(紙の文書)。
コンピューター内の文書・記録へのアクセスを管理するためのルールを決める。
文書や記録を検索できるように整理する。
文書・記録使用方法のルールを決める。
b)文書・記録の保管方法を決めて下さい(責任者、保管場所、ファイリング方法など)。
文書は、読めなくならないように保管して下さい
(あるいは、読めなくなりそうだったらすぐに再発行して 取りかえるようにして下さい)
記録を保管する際は、劣化したり破損することがないように保管して下さい。
c)文書の改訂するためのルールを決めて下さい
文書の最新版が確実に使われるためのルールを決める。
(配付方法、コンピューターによる閲覧、版の区別の仕方、その表示の仕方など)。
d)記録を、期限を決めて保管する。
記録の保管期間、保管方法などを決める。
記録の保管期限が終了した後は、ルールを決めて廃棄する。
外部で作られた文書や記録でも、仕事で使用するものや、保管が必要なものは、
家庭内で作った文書や記録と同じように管理する。
品質の証拠になる記録や文書は、不正な改竄が行われないように、管理して下さい。