この記事で解決できる疑問・悩み
- 生活の中で改善したいことがあるんだけど、どういう風に進めたらいいのかな？
- 生活や仕事の効率を上げたいけど、何かいい考え方ってあるのかな？
- ECRSの原則って聞いたけど、よく分からない… 日常生活にも使えるの？
「もっと効率的に時間を使いたい」「家の中をスッキリさせたい」「日々の作業をもっと楽にしたい」—— 生活の中で、このように「改善したいな」と感じることはたくさんありますよね。でも、いざ改善しようと思っても、「何から手をつければいいの？」「どういう順番で考えれば効果的なの？」と迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
そんな時に非常に役立つ、シンプルで強力な思考ツールが「ECRS（イクルス）の原則」です。これは元々、仕事の工程改善などで使われる考え方ですが、実は私たちの日常生活における様々な問題解決や効率化にも応用でき、QOL（Quality of Life：生活の質）を向上させるための素晴らしいヒントを与えてくれます。この記事では、ECRSの原則とは何か、その4つのステップ（排除・結合・交換・簡素化）の意味と効果的な順番、そして日常生活での具体的な活用方法まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します！
ECRS(イクルス)の原則とは？QOLを高める改善思考の基本
ECRS（イクルス）の原則とは、業務改善や生産性向上の分野で広く用いられている、問題を分析し改善策を導き出すための基本的な考え方・フレームワークです。しかし、そのシンプルで普遍的な原則は、ビジネスの現場だけでなく、私たちの日常生活における様々な「作業」や「モノ」の改善、効率化にも非常に有効に応用できます。
ここでは、まずECRSの原則が持つ4つの要素（Eliminate, Combine, Rearrange, Simplify）それぞれの意味と、なぜその順番で考えることが重要なのかについて、分かりやすく解説していきます。この改善思考の基本を理解することが、あなたの生活をより良くするための第一歩となります。
ECRS(イクルス)って何？4つの改善ステップを簡単解説
ECRSの定義と4つの要素
ECRS（イクルス）とは、改善対象（仕事の工程、作業、動作、モノの配置など）を分析し、改善策を検討するための4つの原則の頭文字をとったものです。JIS規格（JIS Z8141）にも定義されている、改善活動における基本的な視点・着眼点を示します。
- E = Eliminate（排除）：その作業や工程、モノ自体を「なくせないか？」「やめられないか？」と考える。
- C = Combine（結合）：複数の作業や工程、モノを「一緒にできないか？」「まとめられないか？」と考える。
- R = Rearrange（交換・再配置）：作業の順序、場所、担当者などを「入れ替えられないか？」「変更できないか？」と考える。
- S = Simplify（簡素化）：作業や工程、モノの仕組みを「もっと簡単にできないか？」「単純化できないか？」と考える。
日常生活への応用
この4つの視点は、仕事だけでなく、私たちの日常生活における家事、整理整頓、時間の使い方、情報管理など、あらゆる場面での「改善」に応用することができます。「これって本当に必要？」「もっと楽にできないかな？」と感じる身の回りのことに対して、ECRSの問いかけを当てはめてみることで、具体的な改善のヒントが見つかるはずです。これは、日々の小さなストレスを減らし、QOLを高めるための強力な思考ツールとなります。
① なくせないか？【排除(E)】で無駄を根本から断つ
最も効果的な改善策「排除」
ECRSの原則において、最初（E）に検討すべきは「Eliminate（排除）」です。これは、改善対象となっている作業、工程、あるいはモノそのものを「なくす」「やめる」「捨てる」「取り除く」ことができないか、という視点です。なぜなら、不要な作業やモノを根本的になくしてしまうことが、最も効果の高い改善策だからです。それ以降のステップ（結合、交換、簡素化）を考える必要すらなくなります。
日常生活における「排除」の例
日常生活の中で「やらなくてもいいこと」「なくても困らないモノ」がないか、見直してみましょう。
- 習慣の排除：なんとなく続けているが効果を感じない習慣、惰性で行っている付き合いなどをやめる。
- モノの排除：長年使っていないモノ、壊れているモノ、なくても困らないモノを捨てる・手放す（持ち物整理）。
- 作業の排除：必要性の低い定例会議をやめる、目的の不明確な資料作成をやめる、など。
- 工程の排除：二度手間になっている作業工程を見直し、不要なステップをなくす。
「やめる勇気」「捨てる勇気」
これらをやめたり、捨てたりすることによって、無駄な時間や労力、精神的な負担を減らし、物理的なスペースを確保することができます。時には「やめる勇気」「捨てる勇気」も必要ですが、それによって得られるメリットは非常に大きい可能性があります。まずは「これって本当に必要？」と問いかけることから始めましょう。
② 一緒にできないか？【結合(C)】でまとめて効率UP
まとめることによる効率化「結合」
「排除(E)」ができないか検討した次に考えるのが、「Combine（結合）」です。これは、複数の作業、工程、場所、担当、あるいはモノなどを「一緒にできないか」「統合できないか」「まとめられないか」という視点です。別々に行っていたものを一つにまとめることで、移動の手間が減ったり、作業時間が短縮されたり、管理が楽になったりといった効率化の効果が期待できます。
日常生活における「結合」の例
日常生活で「まとめられる」ものがないか探してみましょう。
- 作業の結合
- 買い物に行くついでに他の用事（郵便局、銀行など）も済ませる。
- 洗濯物を干すタイミングで、他の部屋の換気もまとめて行う。
- 複数の場所で行っていた掃除を、まとめて一回で行うようにする。
- 場所の結合
- よく使う道具を一箇所にまとめて収納する。
- モノの結合
- シャンプーとリンスが一体になったものを使う。
- 多機能ペンを使って、複数のペンを持ち歩くのをやめる。
- スキャナー付きプリンターで、別々の機器を統合する。
- 担当の結合（分担の見直し）
- 家族内で同じような買い物を別々にしていたら、担当を決めてまとめて買うようにする。
無駄な重複をなくす
みんなでバラバラに同じようなことをやっていると、逆に手間が増えたり、重複してしまったりすることがあります。日常生活での作業や持ち物を見直し、まとめられるものは積極的に結合して、無駄をなくし効率を上げていきましょう。
③ 順番を変えられないか？【交換(R)】で流れを最適化
流れを見直して最適化「交換・再配置」
「排除(E)」「結合(C)」の次に検討するのが、「Rearrange（交換・再配置）」です。これは、作業を行う「順序」、作業を行う「場所」、作業を行う「担当者」、あるいはモノの「配置」などを「入れ替えられないか」「変更できないか」と考える視点です。現在のやり方が最適とは限りません。手順や配置を見直し、より効率的でスムーズな流れを作り出すことを目指します。
日常生活における「交換・再配置」の例
日常生活で「順番」や「場所」を変えることで改善できないか考えてみましょう。
- 順序の変更
- 毎日の家事の順番を変えてみる（例：朝まとめてやる vs 夜分散してやる）。
- 料理の手順を見直し、待ち時間にできる他の作業を組み込む。
- 仕事のタスクの順番を、集中力が必要なものから先に行うように変える。
- 場所の変更・再配置
- よく使う調味料をコンロの近くに移動させる。
- 洗濯物を干す場所を、取り込みやすい場所に変える。
- デスクの配置を変えて、より集中しやすい環境を作る。
- 担当者の変更
- 家事の分担を見直し、得意な人がその作業を担当するように変更する。
- チーム内での役割分担を、スキルや負荷に合わせて変更する。
最適なタイミングと配置
同じ作業でも、どのタイミングで行うか、どこで行うか、誰が行うかによって、効率や質は大きく変わります。固定観念にとらわれず、「もっと良い順番や配置はないか？」と常に問いかけ、試行錯誤してみることが大切です。
④ もっと簡単にできないか？【簡素化(S)】でシンプルに
複雑さをなくし、シンプルに「簡素化」
ECRSの最後のステップが「Simplify（簡素化）」です。これは、これまでのステップ（E, C, R）を経てもなお残った作業や工程、モノの仕組みについて、「より簡単に、より単純にできないか」を追求する視点です。複雑な手順や仕組みは、理解するのに時間がかかったり、ミスが発生しやすかったり、実行に手間がかかったりします。可能な限りシンプルにすることで、効率性、正確性、そして実行のしやすさを高めることを目指します。
日常生活における「簡素化」の例
日常生活の中で、もっとシンプルにできることがないか探してみましょう。
- 作業の簡素化
- 毎日の献立をパターン化する、あるいはミールキットを活用する。
- 書類作成でテンプレートを活用する。
- よく使う文章や返信は定型文として登録しておく。
- 複雑な手順が必要な作業を、より簡単な方法やツールに置き換える。
- モノの簡素化
- 多機能すぎる家電ではなく、必要な機能だけのシンプルなものを選ぶ。
- 複雑なデザインではなく、手入れのしやすいシンプルな形状のものを選ぶ。
- 書類のファイリング方法を、複雑な分類からシンプルな方法に変更する。
- コミュニケーションの簡素化
- 長電話でのやり取りを、要点をまとめたチャットやメールに変更する。
- 定例会議のアジェンダを簡略化し、時間短縮を図る。
本質を保ちつつシンプルに
簡素化を進める上での注意点は、必要な品質や目的を損なわない範囲で行うことです。本質的な価値を維持しつつ、無駄な複雑さを取り除くことが重要です。日常生活を見直し、もっとシンプルに、簡単にできることはないか、という視点を持つことが、さらなる効率化とストレス軽減に繋がります。
最も効果的な順番は？ECRSの原則を適用する順序
なぜE→C→R→Sの順番なのか？
ECRSの原則を用いて改善を行う際には、その呼び名の通り、必ず「E（排除）→ C（結合）→ R（交換）→ S（簡素化）」の順番で検討を進めることが推奨されています。この順番には明確な理由があり、これを守ることが改善効果を最大化する鍵となります。
効果が大きい順に検討する
その理由は、「E → C → R → S」の順で、一般的に改善を実施した際の「効果が大きい」からです。 【ECRSの効果の大きさ（一般例）】
- E (排除)：不要な作業やモノをなくせば、それにかかるコスト（時間、労力、費用、スペース等）が完全にゼロになるため、最も効果が大きい。
- C (結合)：複数のものを一つにまとめることで、移動や準備の手間、管理コストなどを削減できる。排除の次に効果が見込める。
- R (交換)：順序や配置、担当を変えることで、流れがスムーズになり効率が上がるが、作業自体はなくならない。
- S (簡素化)：作業を簡単にはするが、作業時間やコストが劇的に減るとは限らない。効果は限定的な場合がある。
検討の進め方
したがって、改善を検討する際には、まず「そもそも、なくせないか？(E)」を徹底的に考えます。ここで排除できれば、それ以上の検討は不要です。「なくせない」となったら、次に「まとめられないか？(C)」と考えます。「まとめられない」なら、「順番や場所を変えられないか？(R)」。それも難しければ、最後に「もっと簡単にできないか？(S)」を検討する、という流れで進めます。この順番を守ることで、無駄な検討を避け、最もインパクトの大きい改善策から効率的に見つけ出すことができるのです。
実践！ECRS(イクルス)の原則を日常生活で活用する方法
ECRSの原則（排除・結合・交換・簡素化）とその効果的な順番について理解したところで、次はこの考え方を私たちの日常生活の中で、どのように実践的に活用していけば良いのかを見ていきましょう。
特別な知識やツールは必要ありません。日々の生活の中で感じる小さな「困りごと」や「不便さ」に対して、ECRSの4つの問いかけを順番に当てはめてみるだけで、具体的な改善策のヒントが見えてくるはずです。ここでは、その基本的な活用ステップと、具体的な活用例をいくつかご紹介します。
日々の「困った」を解決！ECRS活用ステップ
改善対象を決める
まず、あなたが日常生活の中で「改善したい」と感じている具体的な課題や作業、あるいはモノの管理について、対象を一つ決めます。例えば、「朝の準備に時間がかかりすぎる」「キッチンの引き出しがごちゃごちゃ」「洗濯物を干すのが面倒くさい」「買い物の無駄遣いを減らしたい」など、何でも構いません。
ECRSの問いかけを順番に適用
改善対象が決まったら、その対象に対して、ECRSの原則を「E→C→R→S」の順番で適用し、改善策を考えます。
- E（排除）の問いかけ：「そもそも、この作業（モノ）は本当に必要か？なくせないか？」
- （Yesなら）→なくす方法を考える。改善完了。
- （Noなら）→次のステップへ。
- C（結合）の問いかけ：「他の作業（モノ）と一緒にできないか？まとめられないか？」
- （Yesなら）→まとめる方法を考える。
- （Noなら）→次のステップへ。
- R（交換）の問いかけ：「作業の順番や場所、担当者を変えられないか？モノの配置を変えられないか？」
- （Yesなら）→変更する方法を考える。
- （Noなら）→次のステップへ。
- S（簡素化）の問いかけ：「もっと簡単な方法はないか？単純化できないか？」
- （Yesなら）→簡単にする方法を考える。
改善策の実行と評価
考え出した改善策を実行に移し、その効果を確認します。もし効果が不十分だったり、新たな問題が出てきたりした場合は、再度ECRSのステップに立ち返って、さらなる改善策を検討します。このサイクルを繰り返すことで、問題は着実に解決へと向かいます。
【活用例①】キッチン用品の整理：ECRSでスッキリ！
例題：キッチン用具を片付けて、キッチンをすっきりさせたい
ここでは、多くの人が悩みがちな「キッチンの整理・片付け」を例に、ECRSの原則を適用してみましょう。
ECRSの適用ステップ
- E（排除）
- 1年以上使っていない調理器具、食器、保存容器は捨てる・手放すことを検討する。
- 壊れているもの、欠けているものは処分する。
- 景品でもらったが使っていないものなどを手放す。
- C（結合）
- 用途が似ている複数のザルやボウル、おたまなどを、厳選して数を減らす。
- スライサーやピーラーなどの機能が一体化した調理器具に買い替えることを検討する。
- 同じ種類の保存容器に統一し、重ねて収納できるようにする。
- R（交換・再配置）
- 使用頻度が高い調理器具（包丁、まな板、フライパン、よく使う調味料など）を、コンロ周りやシンク下など、使う場所の近くの取り出しやすい位置に移動させる。
- 使用頻度の低いものは、吊戸棚の上段など、少し取り出しにくい場所に移動させる。
- 引き出しの中の仕切り方を変えて、よりスペース効率の良い配置にする。
- S（簡素化）
- 複雑な形状の収納グッズではなく、シンプルなボックスや仕切り板を使って、カテゴリーごとにざっくりと収納する。
- 多くの種類の洗剤を持つのではなく、多用途に使えるシンプルな洗剤（重曹、クエン酸、セスキ炭酸ソーダなど）に切り替えることを検討する。
- 調理手順そのものを見直し、使う器具の数を減らす工夫をする。
このように、ECRSの原則を順番に問いかけることで、キッチン周りのモノを効果的に減らし、整理し、使いやすい状態にするための具体的なアイデアが生まれてきます。
【活用例②】毎日のルーティンワーク：ECRSで時短・効率化！
例題：毎朝の身支度・準備時間を短縮したい
多くの人が毎朝バタバタしがちな「朝の準備」を例に、ECRSの原則で改善策を考えてみましょう。
ECRSの適用ステップ
- E（排除）
- 朝必ずしもやる必要のない作業（例：前日の食器洗い、SNSチェック、入念すぎるメイクの一部）をやめる、または夜に回す。
- 朝食のメニューを固定化・簡略化し、悩む時間や作る手間をなくす。
- そもそも早起きする（根本的な時間の創出）。
- C（結合）
- 洗顔と歯磨きを同時に（洗面台で）行う。
- 朝食の準備をしながら、お弁当の準備も一部進める。
- 子供の準備を手伝いながら、自分の準備も並行して行う（可能な範囲で）。
- 服選びとアクセサリー選びをまとめて前日の夜に行う。
- R（交換・再配置）
- 起きる時間を少し早めて、時間に余裕を持たせる。
- 朝の準備の順番を変えてみる（例：着替えを先にする、食事を先にするなど、自分にとって最も効率的な流れを探る）。
- 準備に必要なモノ（服、カバン、化粧品など）を一箇所にまとめて置き、動線を短くする。
- 家族の起床時間をずらすなど、洗面所やトイレが混雑しないように調整する。
- S（簡素化）
- 服装をいくつかのパターンに絞り込み、コーディネートを考える時間をなくす（制服化）。
- 朝食をワンプレートにする、シリアルやスムージーにするなど、準備と片付けが簡単なメニューにする。
- メイクの工程を減らす、または時短アイテム（BBクリーム、クッションファンデ等）を活用する。
- 持ち物を最小限にし、忘れ物チェックの時間を短縮する。
このように、日々のルーティンワークに対してもECRSの原則を適用することで、無駄な時間や手間を見つけ出し、より効率的でストレスの少ない流れを作り出すことができます。
【活用例③】情報管理：ECRSでペーパーレス＆スマート化！
例題：溜まっていく紙の書類やメモを整理し、情報にアクセスしやすくしたい
多くの家庭や個人が抱える「情報管理」の問題。特に紙の書類はかさばり、探すのも大変です。ECRSの原則を使って、スマートな情報管理を目指しましょう。
ECRSの適用ステップ
- E（排除）
- 明らかに不要な書類（古いDM、期限切れのお知らせ、重複したメモなど）は即座に捨てる。
- 「いつか使うかも」で取っておいている書類を見直し、本当に必要か判断し、不要なら処分する。
- 紙で受け取る必要のない書類（請求書、明細書など）は、可能な限りWeb明細や電子交付に切り替える。
- C（結合）
- 関連する書類（例：保険関係、住宅関係、子供の学校関係）をカテゴリーごとにまとめてファイルする。
- 紙の書類と関連するデジタル情報（WebサイトのURL、ログイン情報など）を、情報共有ツール（Notionなど）で一元管理する。
- 複数の場所に分散しているメモ（手帳、付箋、スマホアプリなど）を、一つのツールやノートに集約する。
- R（交換・再配置）
- 書類の保管場所を、使用頻度や重要度に応じて変更する（よく見るものは手前に、重要書類は安全な場所に）。
- デジタルデータのフォルダ構成を見直し、より検索しやすい階層構造に変更する。
- 情報共有の手段を、メールからチャットツールなど、より効率的なものに変更する。
- S（簡素化）
- 紙の書類をスキャンしてPDF化し、ペーパーレスで保管する（必要なものだけ印刷）。ファイル検索が容易になる。
- 複雑なファイリングルールはやめ、大まかなカテゴリー分類や時系列など、シンプルなルールにする。
- メモの取り方を統一し、後で見返しやすいようにする（例：日付、タイトルを必ず入れる）。
- 不要なメールマガジンなどを解除し、情報流入自体をシンプルにする。
ECRSの原則で情報管理を見直すことで、必要な情報に素早くアクセスでき、物理的なスペースもスッキリし、情報管理に関するストレスを大幅に軽減することができます。
ECRS(イクルス)の原則で変わる！QOL向上と豊かな暮らし
ECRSの原則（排除・結合・交換・簡素化）は、単なる業務改善の手法にとどまらず、私たちの日常生活をより良く、より豊かにするための強力な思考ツールです。この原則を意識し、日々の生活の中で実践していくことで、具体的にどのようなQOL（生活の質）向上効果が期待できるのでしょうか。
ここでは、ECRS思考がもたらすQOLへのポジティブな影響と、改善を習慣化するためのヒント、そしてこの考え方を仕事に応用する際のポイントについて解説します。
ECRS思考がもたらすQOL向上効果とは？
時間・空間・心の「ゆとり」創出
ECRSの原則を日常生活に取り入れることで、私たちのQOLは様々な側面から向上します。
- 時間的なゆとり：不要な作業の排除、作業の結合・交換・簡素化により、日々のタスクにかかる時間が短縮され、自由な時間が増える。
- 空間的なゆとり：モノの排除や整理により、物理的なスペースがスッキリし、快適で心地よい生活空間が生まれる。
- 精神的なゆとり：「やらなければならない」ことや、「管理しなければならない」モノが減ることで、精神的な負担やストレスが軽減される。探し物や迷う時間が減る。
- 効率性と生産性の向上：物事がスムーズに進むようになり、家事や仕事の効率が上がる。より少ない労力で成果を出せるようになる。
- 満足度と幸福感の向上：生まれた時間や心のゆとりを、自分の好きなこと、大切な人との時間、自己成長など、真に価値を感じる活動に使うことで、日々の満足度や幸福感が高まる。
よりシンプルで本質的な暮らしへ
ECRSの原則は、私たちに「本当に大切なものは何か？」を問いかけ、生活の中から無駄を削ぎ落とし、よりシンプルで、より本質的な暮らしへと導いてくれる考え方なのです。
改善を習慣化するためのヒント
無理なく改善を続けるために
ECRSの原則を使って改善活動を始めたとしても、それを継続できなければ意味がありません。改善を「習慣化」するためのヒントをいくつかご紹介します。
- 完璧を目指さない：最初から完璧な改善を目指さず、「少しでも良くなればOK」という気持ちで気楽に取り組む。
- 小さく始める（スモールステップ）：まずは、手間がかからず、すぐに効果が出そうな簡単な改善から試してみる。
- 効果を記録・実感する：改善によってどれだけ時間や手間が減ったか、どれだけ快適になったかを記録し、効果を実感することでモチベーションを維持する。
- ゲーム感覚で楽しむ：「改善点探しゲーム」のように、楽しみながら取り組む工夫をする。
- 定期的な見直しタイム：週に一度、月に一度など、「改善点はないかな？」と意識的に生活を見直す時間を作る。
- 家族や仲間と共有する：家族や友人と改善アイデアを共有したり、一緒に取り組んだりする。
改善プロセス自体を楽しむ
大切なのは、改善活動を「面倒な義務」ではなく、「生活をより良くするための楽しい試み」と捉えることです。小さな改善でも、積み重なれば大きな変化に繋がります。焦らず、楽しみながら継続していきましょう。
ECRSを仕事に応用する際のポイント
仕事の効率化と生産性向上へ
ECRSの原則は、元々産業工学や生産管理の分野で生まれた考え方であり、もちろん仕事の改善にも非常に有効です。個人の業務改善からチーム、部署全体のプロセス改善まで幅広く応用できます。
- 目的（ゴール）の明確化：何を改善したいのか、具体的な目標（KPI：重要業績評価指標など）を設定する。（例：作業時間を〇%削減、ミス発生率を〇%低減）
- 影響範囲の考慮：自分の担当業務だけでなく、前後の工程や他の部署への影響も考慮して改善策を検討する。
- 関係者の巻き込み：改善に関わるメンバー（上司、同僚、他部署など）と目的やアイデアを共有し、協力して進める。現場の意見を聞くことが重要。
- 効果測定と評価：改善策実施前後のデータを比較し、効果を客観的に測定・評価する。うまくいかなければ原因を分析し、再度改善を行う（PDCA）。
- ITツール等の活用：簡素化（S）の段階などで、業務効率化に繋がるITツール（タスク管理、情報共有、自動化ツールなど）の導入も積極的に検討する。
組織全体の改善意識向上
ECRSの原則に基づいた改善活動をチームや組織全体で共有・実践することで、個々の生産性向上だけでなく、組織全体の改善意識を高め、より効率的で生産性の高い働き方を実現することができます。
まとめ：ECRSの原則で生活と人生を豊かに！
この記事では、日常生活や仕事における様々な課題を改善するための強力な思考ツール「ECRS（イクルス）の原則」について、その4つのステップ（Eliminate：排除、Combine：結合、Rearrange：交換、Simplify：簡素化）の意味、効果的な適用順序、そして具体的な活用方法まで詳しく解説してきました。
ECRSの原則を意識的に活用することで、私たちは日々の生活や仕事の中に潜む「無駄」や「非効率」を見つけ出し、それらを効果的に改善していくことができます。不要な作業やモノをなくし（E）、まとめられるものはまとめ（C）、順番や配置を最適化し（R）、そしてよりシンプルな方法に変えていく（S）。この改善プロセスを通じて、時間的、空間的、そして精神的な「ゆとり」が生まれ、私たちのQOL（生活の質）は確実に向上していくはずです。
この記事の要点
- ECRSの原則とは改善のための4ステップ（排除・結合・交換・簡素化）である。
- 「E→C→R→S」の順で検討するのが最も効果的である。
- 【E:排除】 不要な作業やモノをなくすことが最も効果が高い。
- 【C:結合】 複数のものを一緒にしたり、まとめたりして効率化する。
- 【R:交換】 作業の順序、場所、担当などを変えて最適化する。
- 【S:簡素化】 作業や仕組みをもっと簡単に、単純にする。
- 日常生活（キッチン整理、ルーティンワーク、情報管理等）で幅広く活用できる。
- ECRSの実践は時間・空間・心のゆとりを生み、QOL向上に繋がる。
- 改善を習慣化するには、小さく始め、効果を実感し、楽しむことが大切である。
- 仕事の改善にも応用でき、生産性向上に貢献する。
ECRSの原則は、一度学べば、あらゆる場面で応用可能な一生モノのスキルです。特別な才能は必要ありません。必要なのは、「もっと良くするにはどうすればいいか？」というちょっとした意識と、それを問いかけるための4つの視点だけです。ぜひ、今日からあなたの身の回りの「改善したいこと」に対して、ECRSの原則を適用してみてください。きっと、あなたの生活、そして人生をより豊かにするための、新しい扉が開かれるはずです。
